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産学官の連携で、高耐熱性を持つバイオプラスチックを開発 - マツダ
2006/05/11

マツダ株式会社は、広島県内の産学官共同開発を通じて、自動車内装部品に使用できる外観品質や強度や耐熱性を持ち、射出成形の可能な、植物原料のプラスチック(バイオプラスチック)の開発に自動車業界で初めて成功した。バイオプラスチックは植物を原料としたカーボンニュートラルな材料(注1)であり、化石資源の使用を減らせるためCO2の排出を削減できる。


新開発のバイオプラスチックの特長は、現在、電化製品等に使われているバイオプラスチックと比べ強度(耐衝撃性)が約3倍、耐熱性が25%も向上したことである。また、原料の製造過程で植物に含まれているでんぷんと糖質の発酵を利用し、代表的な石油系プラスチックのポリプロピレンと比べ30%程度使用するエネルギーを減らせると共に、剛性が高いため部品を薄く成形でき原料を節約できる。さらに、自動車部品の生産に多用されている射出成形機で製造できるため、量産性にも優れている。マツダは、数年後の商品への採用を目指し、研究開発を続ける。

新開発のバイオプラスチックの原料は、とうもろこし88%、石油12%である。とうもろこしから製造されるポリ乳酸を主原料とし、西川ゴム工業株式会社、広島大学、近畿大学が中心に新たに開発した結晶化促進核剤(注2)や相容化剤(注3)の配合によって、自動車用途で最大の課題であった強度と耐熱性を飛躍的に高めた。
この研究は、2004年から経済産業省の「地域新生コンソーシアム研究開発事業」による支援を受け産学官の連携で実現したもの。同制度は共同研究によって、新産業、新事業を創出し、地域経済の活性化を目的としている。

新開発バイオプラスチックのプロジェクトメンバーは次の通り。
広島大学、西川ゴム工業株式会社、広島県立西部工業技術センター、ジー・ピー・ダイキョー株式会社、株式会社日本製鋼所、近畿大学工学部、西川化成株式会社、独立行政法人酒類総合研究所、ヤスハラケミカル株式会社、マナック株式会社、マツダ株式会社(大学数2、企業数7、試験研究機関数2)

マツダの金井誠太専務執行役員は「広島地域では、マツダ、ジー・ピー・ダイキョー株式会社などを中心に、自動車用樹脂製モジュール部品の分野で、世界的にも評価された技術基盤が蓄積されている。加えて、酒造りが盛んで、昔からバイオ技術(発酵)の蓄積があり、広島大学、西川ゴム工業株式会社、広島県立西部工業技術センターを中心として、微生物で分解する、生分解性樹脂の実用化を目指して研究してきた経緯があった。特に、乳酸共重合体(注4)の開発では国際共同研究(注5)を行ってきた実績もある。そのため、地域で取り組むことで高い研究成果を得られる土壌があった。これからも地域と共に、数年後の商品化を目標に、バイオプラスチックの開発を進めていきたい」と述べた。
マツダは、中期経営計画「マツダ モメンタム」の2006年度末までの目標であった「営業利益1,000億円以上」「純有利子負債自己資本比率100%以下」を1年前倒しで達成したが、この計画の主要施策のひとつは研究開発の強化である。マツダは、今後も社会に貢献する企業として環境保全、安全等の技術開発に積極的に取り組んでいく。

マツダは、5月24日(水)〜26日(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」(主催:社団法人自動車技術会)のマツダブースで、新開発のバイオプラスチックを使用した自動車内装部品を展示する。

注1 カーボンニュートラル
植物が分解や燃焼の際に放出するCO2は、成長過程で光合成によって吸収したCO2を再放出しているため、大気中のCO2の増減に影響を与えない性質のこと。

注2 結晶化促進核剤
結晶化を促すための添加物。
「核剤」を加えることで結晶ができる「きっかけ」となり、結晶ができやすくなる。
ポリ乳酸は、他の樹脂に比べて結晶化が遅い性質であり、バイオプラスチックを成形して部品にする時に生産効率が悪くなる。そこで、結晶化を早くすること(結晶化促進)が必要となり、その手段として「核剤」を加える。分子鎖が規則正しく配列されることで、強度や耐熱性が高くなる。

注3 相容化剤
2種類以上の性質の異なる材料を均一に分散させ、物性を改善させる添加物。
ポリ乳酸とポリ乳酸とは相性の良くない添加成分とを、混合させるために必要となる。

注4 乳酸共重合体
ポリ乳酸の分子構造の一部を他の成分に置き換えた樹脂材料。

注5 国際共同研究 ・参加機関: 広島大学(代表研究機関)、マサチューセッツ大学・タフツ大学(米国)、リエージュ大学(ベルギー)、浙江大学(中国)
・研究内容: 汎用および医療用に応用可能な乳酸共重合体を開発する目的で、上記研究機関が協力して取り組んだもの。

以上、ニュースリリースより


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