|
|
「Spirits of The Rally 2005」開催
恒例となった「Spirits of The Rally」の今年をご紹介 | 2005/07/25 |
■本物たち
今回現地を訪れて真っ先に目を引いたのはこのカミオンだ。今年のダカールラリーのカミオン部門10リッター以下クラスで見事に優勝したゼッケン500のそれである。掲載画像での確認は難しいが、フロントガラス助手席側に残されたくもの巣状の飛び石跡が、そのたたずまいを引き締める。この雰囲気を求めて、4輪駆動の三菱キャンターなど中型トラックをそれ風に改造するのが、ごく一部でではあるがはやっていることも覚えておいてほしい。昔からのSUVオーナーが、今のSUVは軟弱になったとトラックに移行するようである。
次に目を引くのが歴代のWRCワークスカーたち。ランチア、ポルシェ911、MGメトロなど、すべてレプリカではなく本物が集まっている。特に手前から2番目のランチアデルタS4は、アルゼンチンラリーで優勝した車そのもので、これを日本の保安基準に適合するよう調整して公道で乗るオーナーの思いたるや想像もつかない。シーケンシャルのミッションはそのままなのか、プッシュ式のスタートクラッチは街乗りでも問題がないのか。興味深い一台だ。
横浜市民として注目すべき日産。現在全日本ラリー選手権で活躍中の車両も含め、ワークスカーや古くからのラリーカーが集まった。画像でなんとか確認できるダットサン240RSワークスカーのほかに、510ブルーバードの東アフリカサファリ優勝車や、S30フェアレディZのサファリ優勝車、なんとも満身創痍な210ダットサンも集まっている。プラモデルの箱ではよく目にしたというクルマが集結しているのである。それら本物を是非ご覧いただきたい。日産車は、メーカー所有と個人所有のものをあわせてトータルで10台を超える参加となっている。これまでの開催で見られた展示車両はほとんどが参加しており、今後も展示されることだろう。
横浜赤レンガ倉庫敷地に接する道路側は、本物のラリーカーや協賛企業などのブースが並ぶが、会場奥まで進むとレプリカ車両のコンテストが開催されている。過去、レプリカ作成の日程がコンテストに間に合わず、ワークス仕様ながら1/12のRCカーで急遽参加した方もおり、周囲に微笑を振りまく一幕もあったが、今年は全車確実に人員が乗車できる様子だ(笑)。一台一台の確認はコンテストページにてご確認いただくとして、少し変わった傾向を発見した。本来ワークスカーに装着されているコンビネーションランプに忠実ではない車両が散見された。ワークス仕様にするのは、憧れよりもファッションに近いのかもしれない。
このように集まった車だけでもそれぞれが自分の仕事を語りかけてくるようだ。残念ながらイベントのパンフレットはないため、会場でそれぞれ車両の活躍を知ることは出来ないが、市販車両をベースに行うラリーという競技の厳しさは充分理解できると思う。見るだけでは理解できない。感じてほしい。
取材記事一覧へ
|
|
|