|
|
MINI COOPER Sのエンタテイメント
乗ってないときだって楽しいのがMINI。 | 2007/04/26 |
■運転してみると
まず高速での加速性能を評価する。ランプから本線に合流し、中央の車線を走る。屈辱的な黄色いナンバープレートを装着された車両が追い越し車線を微妙な速度で後から走ってくる。3速80km/hで走行中だったが、そのままアクセルペダルを踏み込んでいくと、ブーストの高まりに応じて車重が軽くなる。追い越し車線に出て黄色いナンバープレートを後方ブラインドに4速、そして5速。加速は一向に衰えず、視線をダッシュボード中央に向けると、スピードメーターの針が全く意味不明な位置にあったため、減速に減速して一番左の車線に入る。
新型MINIのエンジンはBMWとPSAの共同開発で、このターボエンジンはプジョー207GTにも載せられる。ただし、207GTではデチューンされていて、GTIでミニと同様のスペックになるそうだ。窓を開けて走れば、やはりタービンの過給音が聞こえる。Aピラーの立ち上がったMINIでは、窓を開けて走ることに不安がない。強固なシェルに守られている感じがする。175馬力に1.5トン弱のボディで、本国仕様よりも標準装備がかさんでいるためか、日本仕様は重い。しかるに0-100km/h加速が7.1秒と言う本国仕様タイムは出ないと思うが、感覚的にはもっと速い。この日ショウルームからふと外を見ると、たまたまフェラーリエッフェクアラントが走っていたが、あれ。発進でフル加速すると、喫茶店のマスターが皿を回しながら拭くあの感じ。でも直進に戻ろうとする感じもあって、不安になるほどでもない。さらに本国仕様ではオーバーブーストスイッチかなんかがあるようで、トルクがさらに20Nm増える。日本仕様にそういう記述は見あたらないが、SPORTスイッチがそれにあたるなら、3万円のOPなので付けるが吉。
すこし意地悪をして、タイトなS字で加速してみる。確かにFF特有の、アウト側のタイヤがアウト側にまっすぐ突き進む感じがあるが、道は広い。つまり、ぎりぎりの緊張感が付きまとうわけではない。でもタイヤ減るかなー。ランフラットタイヤってあんまり手軽に交換できないんですよねー。
ボディ剛性は充分以上。ツッコミどころ皆無。ステアリングホイールの手ごたえも充分。それにキビキビと進路を変えられる。小回りも効く。一度右折すべきところを誤って直進してしまい、気づいてブレーキ踏んでウィンカー出して右にクルッと切ると、曲がれちゃいました(笑)。
左上がリバースのシフトパターンは、落ち着いてシフトしないとRに向かってレバーを動かしてしまう。いろいろと機能をチェックしているうちに交差点の信号が青になったときと、慣れないうちに3速から2速にヒールアンドトゥするときに、Rに向かう横方向のゲートに突っ込んでしまった。しかし、自分の努力で対応できるところがいいわけですね。レイアウトに問題がない証明として言うならば、すぐに自分で「あっウマッ」て言うくらいのヒールアンドトゥが出来るようになった実績もあるわけで。
電子式のウィンカーレバーは人によって慣れを求められる部分。しかしそれ以外に慣れが必要な部分は気づきませんでしたよ。フォーカスST同様、クラッチペダルを奥まで踏み込むとステアリングシャフトが靴に干渉するのは、ATではありえないことですしね。
取材記事一覧へ
|
|
|