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BMWとルノー、事故発生情報を異ブランド車両間で交換 業界初
2006/05/03

ミュンヘン発:

真夜中に、一人で田舎道を走っていると想像して下さい。民家を通り過ぎたのはだいぶ前です。カーブを曲がりきったところで、突然、車が道をふさいでいました。あなたはすぐにブレーキをかけて、かろうじて車を停めることができました。その車は鹿と接触していて、ドライバーは重傷を負っています。
そんな時でもあなたの車は、ボタンを押すだけで最も近い緊急対応センターにつながり、自動的に事故現場の正確な位置を送信してくれます。瞬時にかつ自動的に、事故現場に接近している車にも警告メッセージを送ります。メッセージを受け取ったドライバーは速度を落として事故現場を安全に回避することができ、停止して救助を行うこともできます。救急車の到着にも数分もかかりません。あなたの車からの情報は現地の交通管制センターにも通知され、事故が発生した道路や事故の情報がデジタルラジオ放送で流れます。

今日、ミュンヘンでBMW Groupの研究・技術開発部門とルノーの共同開発によるこの救援シナリオが、欧州委員会のメンバーに実演されました。欧州委員会の“情報社会とメディア”部門の副代表ユハニ・ヤースケライネン氏は、「BMWとルノーは、大きなマイルストンを成し遂げました。2つの異なるメーカー間で、車両間のコミュニケーションに基づいた交通安全の応用性を実演してくれました。EUの資金援助によって調和と標準化の進展が得られたというイニシアティブを我々は歓迎しています」と述べています。ヨーロッパで初めて、異なるメーカーの車両間のコミュニケーションが可能となり、このテクノロジーがヨーロッパ全体の調和に向けての重要な一歩を踏み出したのです。

BMW Groupの研究・技術開発部門とルノーは、2004年からヨーロッパの研究プロジェクトGST(Global System for Telematics、テレマティックスのグローバルシステム)において共同開発に携わっています。EUとの共同出資であるGSTは、操作が共通のテレマティックスサービスに向けたオープン・アーキテクチャーを開発しています。その上で両社はトピックスとゴールに協力し、それ以外にも独立して上述のシナリオを展開するために両社それぞれの既存またはその他IPRにアクセスすることに同意しました。この共同開発の結果こそが、2つのブランドの車両間の救命連絡なのです。「私は、GSTと車両間のコミュニケーションが、ヨーロッパにおける安全で効率的、かつ快適な移動と交通に大いに貢献をしてくれるであろうと期待しています」とユハニ氏は述べています。

相互運用型のプロトタイプは、BMW Groupの研究・技術開発部門が開発したソフトウェアをベースにしています。このソフトウェアでは交換するメッセージの内容を定義しているので、車両間でスムーズなコミュニケーションが可能です。この相互協力の結果と、その結果から得られた知識は、両メーカーが積極的に関与しているC2C-CC(Car-to-Car Communication Consortium、車対車コミュニケーション共同事業)で使用されます。現在このメンバーには、主要自動車メーカー8社と研究パートナー12社が入っています。ヨーロッパ及び国家研究プロジェクトの結果を基に、共通の無線周波数で車対物体(X)へのコミュニケーションを展開して一般の業界標準を押し上げ、世界中で利用することが可能となります。

こういった車対車、車対インフラのコミュニケーションは、交通安全に新たな展開をもたらし、BMW ConnectedDriveコンセプトのもう一つのマイルストンとなるもので、ドライバー・アシスタンス・システム、テレマティックス、オンラインサービスを通じてドライバーと車、そして周囲の環境を繋ぎます。このコンセプトのモットーは、ネットワーク環境の整っているドライバーは、十分に情報を得たドライバーなので、より安全なドライバーである、ということです。

GSTとは
EU出資プロジェクトの“Global System for Telematics(Global System for Telematics、テレマティックスのグローバルシステム)”は2004年にスタートし、ヨーロッパ全域に47社のパートナーを有しています。ERTICO(European Road Transport Telematics Implementation Coordination Organization、欧州ITS推進のための官民連帯組織)が調整役となり、自動車メーカー、サプライヤー、研究所が、オープンで標準化されたエンド・トゥー・エンド構造のテレマティックスサービスに取り組んでいます。実地試験用の7つのサブプロジェクトと5ヶ所の試験場において、革新的なテレマティックスサービスを費用効率が高く開発および供給することができるか、その環境を評価しています。詳細は以下のサイトで確認できます(英語)。
www.gstforum.de
www.ertico.com

C2C-CCとは
2004年にアウディ社、BMW社、ダイムラー・クライスラー社、フォルクスワーゲン社が共同で創立したC2C-CC(Car-to-Car Communication Consortium、車対車コミュニケーション共同事業)は、今日では主要自動車メーカー8社と研究パートナー12社に増え、業界標準および車対物体(X)のコミュニケーションの世界的な調和に向けて共同で取り組んでいます。 車両間での任意のメッセージの交換は、無線LAN技術が用いられています。車対物体へのコミュニケーションにより、交通安全上の用途が無数に広がります。将来的に全てのブランドの車のドライバーがこの技術を利用できるようになることをゴールに掲げています。詳細は以下のサイトで確認できます(英語)。
www.car-2-car.org

以上、プレスクラブより


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