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フォルクスワーゲン トゥアレグ、ボーイング747を牽引
2006/11/29

TDIパワー:トゥアレグ V10 TDI、155トンのジャンボ機を動かす


ウォルフスブルグ 2006年11月28日(火)
「トゥアレグV10 TDIが、ボーイング747を牽引できるかどうか、賭けないか?」
「155トンのジェット機を、絶対無理だよ!」
「できるさ!」


フォルクスワーゲンの従業員2人が交わしたこんな会話は、実際に検証されることになりました。それから数ヶ月たった11月23日(木)、フォルクスワーゲン社のクルーは、新型のトゥアレグV10 TDIを実際に747に連結したのです。トゥアレグは容易に仕事をこなし、正式な結果として承認されました。しかしながら、車重70トンにも及ぶ牽引車両を、より経済性に優れたトゥアレグに買い換えたいというオーダーは、空港関係者からまだ届いていないようです。

「トゥアレグがボーイング747を引っぱる」イベントは、ロンドンから40マイルの位置にある、英国のダンスフォールド空港において開催されました。当初から課題は、このSUVに搭載されたエンジン、四輪駆動システム、そしてシャシーがどれくらいパワフルなのかを問うものでした。

トゥアレグは、元々牽引車両としても優れた能力を持ちます。トレーラーを牽引する際の最大積載荷重は3,500キロ、リヤアクスル荷重は1,640キロです。しかし、3.5トンの通常のボート トレーラーのかわりに、翼面積511u、エンジン4機、座席数450、そして町の1ブロックほどもある胴体を持ち、重量は155トンを超えるジャンボ機を牽引するとなると、話は別です。注意深く細かな準備作業が必要でした。

この巨大なジャンボ機を牽引するために、まずトゥアレグV10 TDIの車重を増やさなければなりませんでした。矛盾のようですが、エンジンのパワーを推進力に変換するためには絶対に必要な事なのです。車内には鉄球と鉄板が積み込まれました。その追加重量は、実に4,345キロにも上ったのです。その結果、車体の総重量は7,030キロに増加、重量配分はフロントに2,755キロ、リヤは4,275キロとされました。

その他の変更箇所は、最低限に留められました。最終減速比は、V10 TDI用ではなく、より減速比の大きなV8用が組み合わせられました。ミシュランタイヤは標準のままですが、その空気圧は4.5 barまで引き上げられました。最高速度も制限を受けましたが、その他は、エンジンからサスペンション システム、四輪駆動システムに至るまで、すべて生産車両のまま使用されたのです。

トゥアレグが標準で使用するトレーラー ヒッチに加え、補強用デバイスを追加してボーイング747と連結して、実験を開始しました。V10 TDIの最大トルク(750 Nm)とトランスミッション比に基づくと、計算上、トゥアレグは約200トンの重さを動かすことができるとエンジニアたちは考えていました。しかし、全長4.75メートル、全高1.7メートルのこの車が突然、全長70メートル以上、高さ19.4メートルもある航空機と連結されることになるとしたら、誰がそんな計算を信用できるでしょう。特に、どしゃ降りの雨と向かい風という、典型的なイングランドの天候下では、なおさらです。


しかし、トゥアレグはその仕事を成し遂げました。運転席に座ったのは、フォルクスワーゲンのテクニシャン、ウヴェ クリーグホフ。彼はエンジンを始動し、センターコンソールにある四輪駆動コントロールのスイッチで、低速走行用のローレンジを選びました。駆動力は均等にフロントとリヤアクスルに配分されます。クリーグホフはオートマチック トランスミッションの2速を選択し、自分の頭の高さ程もある車輪18個を回転させ始めることを考えながら、ゆっくりと加速を試みました。最初の数秒間に、最大のパワーが必要でした。この牽引システムは、動き出せば後は楽なのです。しかし、最初に動いたものといえば、タコメーターの針だけでした。そのままクリーグホフはアクセルペダルを半分の位置まで踏み続けました。すると、トラクション面で何らの問題もなく、トゥアレグとジャンボはゆっくりと動き始めたのです。150メートルほど走った後、クリーグホフはシステムを停止させました。


新型のトゥアレグには、ESPプラス トレーラー スタビリゼーション機構が標準装備されています。これは、トレーラーへの荷物の積み込みのバランスが悪い場合や、過度の高速走行において、危険なスネーキング(蛇行)現象を防止してくれます。ただし、747牽引試験では作動しませんでした。走行速度は、時速わずか8kmだったからです。

その後の検査で、使用されたトゥアレグは何らのダメージも受けていないと証明されました。全てがうまく行ったのです。

以上、ニュースより


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