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サーベラスがクライスラーグループの筆頭株主へ
2007/05/15

関連ファイナンシャルサービスも譲渡。
売却額は55億ユーロ(74億ドル)


・  新会社クライスラー・ホールディング社(LLC)を設立、サーベラスの関連会社が株式の80.1%、ダイムラー・クライスラーが19.9%を取得で合意
・  年金・医療費はクライスラー各社が引き継ぎ
・  売却によるダイムラー・クライスラーのキャッシュフローは推定5億ユーロのマイナス
・  IFRS(国際会計基準)による2007年のダイムラー・クライスラー純利益は、30〜40億ユーロ減少の見込み
・  ダイムラー・クライスラー自動車製造事業の自己資本比率は2008年初めまでに40%以上へ
・  臨時株主総会で社名をダイムラー社と改称
・  再編についての発言
ダイムラー・クライスラー社 取締役会会長 ディーター・ツェッチェ:「事業を展開する世界のあらゆる市場セグメントで高級車のトップメーカーとなるとともに、上質なサービスを提供していく」
全米自動車労働組合(UAW)会長 ロン・ゲッテルフィンガー: 「サーベラス社への売却はUAW組合員やクライスラーグループ、ダイムラーにとって最大の利益」
・  サーベラス・キャピタル・マネジメント会長 ジョン・スノー: 「サーベラスでは米国製造業、そして米国の自動車業界には固有の強みがあると考えている。とりわけクライスラーの力を信頼している」

ダイムラー・クライスラー社の取締役会は、5月14日、クライスラーグループの今後のあり方とダイムラー・クライスラーの再編について決定を行いました。この決定は監査役会の承認をへて確定されます。今回の取引は、法的認可やサーベラス社の財務上の手配など通常の取引終了要件が満たされることにより完了します。

取引の詳細

・  非公開投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント社(LP)(本社; 米ニューヨーク市)の関連会社が、今後設立予定の新会社、クライスラー・ホールディング社(LLC)に55億ユーロ(74億ドル)を出資、同社株式の80.1%を取得します。ダイムラー・クライスラーの出資比率は19.9%。クライスラー・ホールディング社は、今後設立予定のクライスラー・コーポレーション社(LLC)(クライスラー、ジープ、ダッジ車の生産・販売)及びクライスラー・ファイナンシャルサービス社(LLC)(NAFTA地域での上記ブランドに対するファイナンシャルサービスの提供)の株式をいずれも100%保有します。
・  55億ユーロの出資の内訳は、自動車製造事業(クライスラー・コーポレーション社)向けが37億ユーロ、ファイナンシャルサービスが8億ユーロとなり、これは、両事業の自己資本の強化を目指したものです。ダイムラー・クライスラーの受領額は差引10億ユーロとなります。さらに、ダイムラー・クライスラーはクライスラー・コーポレーション社に対し、3億ユーロの融資を行います。
・  合意によると、取引終了後、ダイムラー・クライスラーはクライスラーグループの自動車製造事業を債務ゼロの形で譲渡します。クライスラーグループは事業再構築計画のため、取引終了までにキャッシュフローがマイナスとなることが予想されることから、ダイムラー・クライスラーには12億ユーロのマイナスのキャッシュフローが生じます。したがって、取引にともなうネットのキャッシュフローは5億ユーロのマイナスとなります。これに加え、ダイムラー・クライスラーは、取引にともないクライスラーグループの長期債務を譲渡し、前払い補償金として約6億5,000万ユーロを支払うことになります。このほか通常の取引費用が発生します。
・  クライスラーグループおよび関連ファイナンシャルサービス事業の従業員に対する同グループの年金および医療保険負担は、クライスラー各社が引き継ぎます。年金については現在資金に大きな余裕があります。

主要な財務指標への影響

今回の売却がダイムラー・クライスラーに対して与える影響は以下のとおりです。

・  現在の予測では、IFRS(国際会計基準)による2007年の純利益は、全体で30〜40億ユーロ減少する見込みです。
・  クライスラー各社の連結解除と、その結果生じるバランスシート総額の減少により、ダイムラー・クライスラー社の自動車製造事業における自己資本比率は、2008年初めまでに40%以上に上昇すると見られます。
・  ダイムラー・クライスラーがすでに発行し、保証している社債について変更はありません。クライスラー、ジープ、ダッジのファイナンシャルサービス事業については、これまでダイムラー・クライスラーが提供していたファイナンスをサーベラス社が引き継ぎます。
・  新会社クライスラー・ホールディング社(LLC)に対するダイムラー・クライスラーの出資分19.9%は、取引終了後、バン、バス、その他の事業に含められ、持分法が適用されます。
取引は、2007年第3四半期に終了する見込みです。

ダイムラー・クライスラー社のディーター・ツェッチェ取締役会会長 兼 メルセデス・カーグループ統括 は、 「ダイムラー、クライスラー双方にとってこの方法が全体として最も大きな価値を生み出すものと確信しています。この取引によって、クライスラーとダイムラーの新たな出発に向けた適切な条件が整いました」と述べています。

また、全米自動車労働組合(UAW)のロン・ゲッテルフィンガー 会長は「サーベラスとの取引は、UAW組合員にとっても、クライスラーグループとダイムラーにとっても最善の利益となるもので、私たちはこの決定を嬉しく思っています。これによって、UAW組合員も経営側もクライスラーグループの未来に向け、高品質製品の開発・生産に集中して取り組むことができます」と述べています。

サーベラス・キャピタル・マネジメント社(LP)のジョン・スノー会長は 「クライスラーがサーベラス傘下に加わることを歓迎します。サーベラスはクライスラーにとってよい『家』となるでしょう。サーベラスでは、米国の製造業、そして米国の自動車業界には固有の強みがあると考えており、とりわけクライスラーの力を信頼しています」と話しています。

さらに、スノー会長は次のように述べました。「この10年間、米国の象徴であるクライスラーと歩みをともにしたダイムラー・クライスラーに感謝します。サーベラスとしても、クライスラーが大きな課題を抱えていることは承知していますが、同時にそれらは必ず克服できるだろうと考えています。サーベラスは非公開投資会社として、経営陣に対して短期的な業績改善を迫るのではなく、長期的な計画に取り組むチャンスを提供していきます」。

事業の進展

ダイムラー・クライスラーはこれまで約10年にわたり、多くの取り組みを通じてビジネスを展開してきました。ただ、メルセデス・ベンツとクライスラーとの間の相乗効果はこれまで可能なかぎり利用しつくされており、対象とする市場が大きく異なることから、これ以上の協力の可能性は限られています。クライスラーグループの中核である北米市場は変化が激しいうえに、マージンの変動が大きく、これがダイムラー・クライスラー全体としての収益性と株価の伸びをますます圧迫しています。

一方、クライスラーグループは近年大きな進歩を遂げました。例えば、クルマ1台に要する生産時間は2001年の48時間から、現在ではわずか30時間あまりに短縮されています。品質についてもこの6年間で40%以上改善しました。2002年以来、新たな生産設備や技術に投じられた資金は74億ユーロ(100億ドル)にものぼります。また、2001年以来導入した新モデルも34を数え、最も新しいラインアップを備えた自動車メーカーとなっています。

ツェッチェは「その結果として、現在のクライスラーは北米の他の競合メーカーに比べて構造的により健全な企業となりました。サーベラスをパートナーとすることで、その持てる力をフルに活用できることになります」と述べています。

継続中の提携関係

従来型および代替駆動システムの開発、購買活動、NAFTA地域外での販売およびファイナンシャルサービスなど、メルセデス・カーグループとの既存のプロジェクトについては今後も継続します。さらに、「合同自動車評議会」を設置し、両社の代表者が、新規および既存プロジェクトの将来性を評価、判断することになる予定です。この評議会は、両社の取締役レベルの役員によって構成されます。

ツェッチェは「ビジネスパートナーとして、今後も両社の協力関係を継続したいと大いに考えています。私たちは共同作業から相互に得られるメリットを必要としているからです。クライスラーの株式を19.9%持ち続ける理由の1つはそこにあります」と述べました。

新しいダイムラー社

企業構成の変化により、ダイムラー・クライスラー社の名称は、ダイムラー社に変更されます。この決定は、2007年秋に予定している臨時株主総会で行われる予定です。

新会社の取締役会のメンバーは6名に削減されます。トマス・ラソーダ、エリック・リドゥノア、トム・シドリックの3名はダイムラー社の取締役を退任します。

新しいダイムラー社の取締役会には、独立した調達担当の取締役は置かれません。今後、すべての調達活動は部門間で直接行われます。取締役会では、ボド・ユッバーが従来の担当に加え、調達担当を兼任する予定です。

メルセデス・カーグループ、トラックグループ、ファイナンシャルサービス、バンおよびバス事業の幹部については変更ありません。

ツェッチェは「企業機能とすべての部門における懸案事項が決着しました。戦略的な検討を重ねたことで、私たちの将来を明るい方向へ導くためのきわめて明快なロードマップを作成することができました」と述べています。

なお、メルセデス・カーグループの今年の売上高利益率は7%以上、来年以降もそれ以上の率が見込まれます。

トラックグループでも、2008年までに平均で7%の売上高利益率が見込まれています。これは純資産利益率で言えば約30%になります。

また、バス事業でもダイムラー・クライスラーは世界のリーダーとして、収益性の標準を作り上げています。また、好調な業績を重ねるバン事業では、新型スプリンターが発売され、前モデル同様に好調な販売が期待されます。

ファイナンシャルサービス部門では、株主資本利益率14%以上を目標としています。

成長の見通し

ツェッチェは次のように述べました。「私たちは強力なスタート位置に立ちました。すぐれた財務力もあります。ですから、将来の見通しは期待できるものです」。なお、継続的な成長のために、ダイムラー・クライスラーグループでは、以下の主要領域を定義しました。

・  もっとも収益性が高く最大の成長率を持つ中核事業、すなわち従来のセグメントにおけるいっそうの拡大。そして、地域ベースでの新しい市場機会の開拓。
・  バリューチェーンの双方向の流れの中で機会を追求した、革新的かつ顧客指向で、個別のニーズに合ったサービスと活動の継続的な拡大。
・  持続可能で、責任のある、環境に優しいテクノロジーにおけるリーダシップの強化。

こうした3つの分野に注力することで、ダイムラーのあらゆる潜在能力を開拓し、収益性のある持続的な成長を通じて、企業価値をさらに高めていきます。ダイムラーは今後、これを独力で行っていくことを選択しましたが、一方で、クライスラーとの規模の可能性も引き続き活用して行きます。

ダイムラーの目標についてツェッチェは「弊社は、事業を展開する世界のあらゆる市場セグメントで高級車のトップメーカーとなるとともに、上質なサービスを提供していくことを目指します。さらに、共通の文化や革新技術と先駆的な業績という大いなる伝統、そして、メルセデス・ベンツという世界最強の自動車ブランドに立脚した、エクセレンス(卓越性)の追求に積極的に取り組みます」と述べています。

ニューヨークに拠点を置く、サーベラス・キャピタル・マネジメント社は、約235億ドルの資金と預金を管理する世界最大級の民間投資会社です。1992年創設のサーベラスは現在、50社を超える企業に多額の投資を行っており、全体として世界中で年間600億ドルもの収益を上げています。

以上、2007年5月14日にダイムラー・クライスラー社から発表されたプレスリリースの日本語抄訳をダイムラー・クライスラー日本のWebサイト・ニュースより


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