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ALPINA B5 内覧会開催
| 日本に登場したALPINA B5の乗らずにわかる部分をレポートする | 2005/07/31 |
■ALPINA B5
 用意されたB5はブラックサファイアカラーをまとったもので、内装は黒のレザー、トリムはアルピナ独特の赤みの強いウッドである。フロントを眺めると、すぐさまアルピナスタイルのスポイラーに気づく。これは、これまでの完全BMWオリジナルのバンパーにアルピナのスポイラーを接着する手法とは少々異なる方法で実現されている。バンパーの開口部を含めてアルピナ独自の設計になった。時間があれば是非5シリーズのフロントフェイスと比べてほしい。
 リアスタイルはほぼBMW流儀のままだが、控えめな部類のリアスポイラーがアルピナらしさを表現する。タイヤが545iオリジナルの4輪245/40R18から前245/40R19、後ろ275/35R19と、太さもさることながらホイール径も大きい。このサイズは先代5シリーズのアルピナ版、B10のホイールと同等であるが、ボディ寸法の大型化の影響で、相対的にそれほど大きなホイールには見えなくなったかもしれない。8気筒のエクゾーストをまとめた二本出しのマフラーは、さぞや美しいサウンドを奏でることだろう。
 エンジンは4,398cc。これはB10V8Sのスケールダウンではなく、545iのV8エンジンそのものを使用していると考えられ、ボアおよびストロークも一致する。圧縮比が10.0:1から9.0:1に落とされているのは、スーパーチャージャーを装備したためだ。スーパーチャージャー自体はラジアルコンプレッサーを選択している。ターボチャージャーの吸気側を使用し、排気ではなくエンジン出力でコンプレッサーを回していると考えてほしい。なぜこのタイプを採用したかについては明確な理由がある。たとえばE55AMGにはリショルム式コンプレッサーが使用されている。このコンプレッサーの損失は、エンジンが最大出力を発生しているそのとき、120馬力に達する。アルピナの採用したラジアルコンプレッサーは20馬力の損失に限定されるというのが採用の大きな理由のようだ。それに0.8気圧のブースト圧を与えた結果、最高出力510ps/5,500rpm、最大トルクは71.4kgm/4250rpmに達し、0-100km/h加速は4.7秒、最高速度は314km/hに達するモンスターに仕上がった。高出力化に備えた熱対策は万全で、パワーステアリングフルードのためのオイルクーラーまで追加されているそうだ。
 内装はダコタレザーにスポーツシートが標準装備で、ステアリングホイールも3スポークのスウィッチトロニック付き本革巻マルチファンクションステアリングが標準装備になる。ただし、と表現すべきかどうか迷うところだが、アクティブステアリング機構は装備されない。アルピナであることを証明するプレートはルーフ側に、アクセントになる青と緑の切り返しはドアームレストに、そしてアルピナのメタルエンブレムがシートバックに与えられている。そして助手席正面のウッドトリムには、金色のアルピナエンブレムが輝いている。
 エンジンルームを少し丹念に覗くと、エンジンルーム側のタイヤフェンダーが不織布に置き換えられていることに気づくはずだ。これは加給機や追加されたオイルクーラーの重量を相殺する措置だそうだ。フィールにこだわるアルピナらしい措置だと言い切ってしまうにはいくつかの不安があるが、少なくともバンパーの件も含め、ホワイトボディーに対し、これまでより多くの手が掛けられているのではないだろうか。雨天時の自律乾燥などを行う次世代型のブレーキシステムも本家に先んじて採用し、装備もフルオプション状態で日本に入るアルピナB5、15,490,000円である。なお、この価格にリサイクル費用は含まれていない（笑）。
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