|
|
時代との対峙 - BMW740i
拡大、縮小と表情を変える今の時代に対応できているのか? | 2009/05/17 |
■まとめ
ドイツのほとんどのメーカーは、超高圧燃料直接噴射技術をベースにハイブーストターボチャージングを展開している。
小さなエンジンで大きな出力。かつてF1の世界で1,500ccから1,500馬力を出力させていたが、その頃の燃焼テクノロジーに、爆発行程のタイミングをぎりぎりまで遅らせそこから一挙に燃焼させるために、特殊な燃料の使用があった。FIAの定義したオクタン価102を守ればいいレギュレーションだったため、ほとんどガソリンとは言えないものだったそうで、エンジンブロックの特殊な材質と相まって発がん性物質が排気に混入し、ピットワーカーは防毒マスクを装着して作業したが、結果的に禁止された。そして1990年前後を境に市販されている燃料を使用するようレギュレーションは変更された。本当に今のF1が市販燃料で走っているかどうかはまた機会があればということで。
まあ、そんなような燃焼タイミングの制御が筒内直接噴射で可能になり、市販エンジンでも高出力が可能になった。かつて335iで驚嘆した出力を上回った740i向けのエンジンは、それでもフルチューン状態であろうはずもなく、またまたこれからが楽しみになるBMWのエンジンである。
例えば今の時代がこれから怒濤の復活を遂げるのか、それともまた予測・不測の事態でタービュランス状態になるのかは不明だが、少なくとも740iであれば、贅沢と言われれば3千CCだと言い、質素と言われれば全開加速をくれてやり、そういうどっちにも話を持って行けるところが強みであると言い切れる。
この新型が発表されたとき日本ではE65・66の販売も追い込みになり、巷では現行の方が高いバリューを持っているというような評価であふれたし、その当時はボクも同意見だった。しかし実際に眺め、触れてみると、やはり7年から8年を経過したモデルは新たな提案が面で押し寄せてくる内容になっている。
ただし先々代E38から先代E65・66ほどの隔世感はない。このクラスになってくると、不満を抱いた上での乗り換えよりも、スケジュールに沿って乗り換えるケースがほとんどであると思うので、そういう意味ではランフラットタイヤのネガも完全に潰されており、満足は得られると思う。
でもね、やっぱり運転業務というものについて常に真摯に取り組んでいる、思考停止に陥ることのない本当の意味で真面目な生き方をしている人に乗って欲しいですね。運転席にね。
取材記事一覧へ
|
|
|