「公道を走る一般車両にモータースポーツのテクノロジーを導入する。」というBMW M 社の哲学にしたがって開発されたM DCT Drivelogic は、サーキット走行にも必要な条件を満たしたトランスミッションであり、胸のすくような加速、躍動感あふれる走りが可能となります。 BMW M 社とBMWモータースポーツ社は、極めて密接な関係にあります。このため、BMW M社のエンジニアは、F1 マシン開発のテクノロジーとF1 レースでの経験を活かしながら、M DCT Drivelogic を開発しました。
M DCT Drivelogic の作動原理: 一般的なトランスミッションの場合、ギア・チェンジのたびに「クラッチを切り」、「新しいギアに入れ」、「もう一度クラッチをつなぐ」という3 段階のプロセスが必要ですが、M DCT Drivelogic には、クラッチが2組装備されているため、1段階で終了します。これにより、変速に要する時間を効果的に短縮でき、エンジン・パワーの流れを止めることなく駆動輪へと伝達することが可能です。
M Double-Clutch Transmission with Drivelogic
M DCT Drivelogic は、シフトアップ時も、シフトダウン時も、同じ要領で作動します。どのギアが選択されるかは、アクセル・ペダルを踏み込む速さで決まるため、たとえばキックダウン操作をしたときは、最高の加速が実現できるギアをシステムが自動で選択します。
BMW M 社のエンジニアがF1 レースでの経験を活かして成し遂げたことは、7 速トランスミッションの採用、システムを2 つの小型のギア・セットに分割、それぞれのギア・セットに個別にクラッチを用意した、ということです。2、4、6 速の偶数ギアで構成されたギア・セットと、1、3、5、7 速の奇数ギアとリバース・ギア(後進)で構成されたギア・セットの2 つがあるため、1 つのギア・セットがエンジン・トルクを駆動軸に伝達している間、もう一方のギア・セットでギアを選択しておくことが可能です。ギア・チェンジを行なう際、使用中のギアを外す瞬間に、次の新しいギアをエンジンに接続できるため、エンジン・トルクを伝達する流れが中断されることが無く、複数用意されているドライブロジック・プログラムによって、滑らかなギア・チェンジを行うか、それとも際立った、まさにレーシング・カーさながらのギア・チェンジを行うかを、設定することが可能です。
BMW M 社について BMW M 社は、M3、M5、M6、Z4 M ロードスター、Z4 M クーペなどの高性能指向の車や、特別装備品(BMW Individual)の開発および販売や、BMW 車の運転の楽しさ、安全性の高さ、安全運転の方法を講習するプログラム、ドライバー・トレーニングを担当しています。
以上、プレスリリースより