日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座、社長:カルロス ゴーン)は5日、世界で初めてSiC(シリコンカーバイド)素子を使用した車両用のインバーターを開発し、燃料電池車X-TRAIL FCVで走行実験を開始したと発表した。 インバーターとは、電動車両などにおいて動力源である電気をコントロールする部品である。これまでは、その大きさがレイアウト上の制約になっていた。今回開発したインバーターは主要な構成部品であるダイオードの材料にSiCを使用し、独自開発の新構造「ヘテロジャンクションダイオード」を採用しており、将来的にインバーターの小型軽量化と高い信頼性が図れる。 Si(シリコン)を使用する従来のダイオードは電力損失が大きいため、その電力損失に伴う放熱対策が必要となっていた。今回の新構造SiCダイオード*1は、電力効率を高めるとともに信頼性・耐熱性を大幅に向上させており、電動車両のインバーターに求められる高耐圧、大電流容量のダイオードを実現している。従来のダイオードと比べて、ダイオードの占める面積を70%削減しつつ、インバーター回路のエネルギー効率を20%改善することに成功した。また、冷却装置を簡略化することが出来るため、インバーターを15%から20%小型軽量化することが可能となる。 新構造SiCダイオードは、今回走行実験を開始した燃料電池車以外にも、同社が開発を進めている電気自動車やハイブリッド車に搭載することが可能である。同社では、インバーターをモーターやバッテリーと並ぶ電動車両開発の基幹となる要素技術と位置づけて開発を進めており、今後はインバーターのもう一つの主要な構成要素であるトランジスターにもSiC素子を適応することで、更なる小型化を目指す。 同社は、今後も中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2010」に基づき、CO2排出量の削減に真に実効性のある技術、商品、サービスを開発し、市場に投入していく。 *1: SiCダイオードのチップの寸法は、1個あたり5X5mmである。 以上、プレスリリースより ちょうど小さいインバーターが欲しかったところなんですよという冗談はおいといて、なんにしても小型化して損失を小さくするというのは重要です。日本の企業はがんばりますね、小型化分野。(元3)
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