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 ルマン24 時間レース アウディR10 TDI、ディーゼルパワーで歴史的な優勝 2006/06/19 ●新アウディR10 TDI、ディーゼルエンジンで24 時間レース初の優勝
サーキットにつめかけたファンと、テレビ観戦をした何百万という観客は、アウディTDIの素晴らしいデモンストレーションによって、先進のディーゼルエンジンのパワーとパフォーマンスを目の当たりにしました。650ps のV12 TDI エンジンを積むアウディR10 TDI レーシングカーは、他を寄せ付けない速さを見せ、同時に燃費の良さもトップでした。レースを通して、インゴルシュタットから送り出されたこの新しいディーゼルスポーツカーが終始リードしました。ルマンの優勝記録保持者であるトム・クリステンセンは3 分31 秒211 というタイムをたたき出してレースでのファステストタイムをマーク、さらに彼は、1 回の給油で16 周を走り、LMP1クラスでの記録も更新。アウディは、トータルで380 周を走りきって、距離記録も達成しました。 レース中には、アウディのTDI パワーが燃費においても優位だったことは観客にも明白でした。アウディドライバーにとっては、90 リッターのシェルV-パワーディーゼル燃料の給油のためのピットインは平均で14 周に1 度で済み、ガソリンエンジンを使用するライバルたちは、それよりも多い頻度でピットストップを繰り返しました。また観客は、この650ps のスポーツカーがいかに静かで、環境に優しいかにも驚かされたはずです。
アウディR10 TDI は、レースのわずか200 日前にシェイクダウンを行ったにも関わらず、ルマンで過去5 回の優勝を飾っている先代、R8 と同様、まったく危なげなくこの24 時間レースを戦い抜きました。レース中のただ1 回の予定外のピットストップは、No.8 の車両の5 速ギアにトラブルが発生したため、午前3 時47 分にチームがギアボックスの交換を決定したときだけです。レギュレーションにより、R8 の時には可能だったリアエンド全体の交換が許されなくなったにも関わらず、革新的なギアボックスの設計によってチームは交換に10 分も必要とせず、迅速な作業でR10 を再びレースへ送り出すことができました。No.8は、日曜の午前中に片方のヘッドライトに不具合が生じたためフロント周りを交換し、これによってさらに1 分をロスすることとなりましたが、これ以外にはアウディR10 TDI はまるで時計仕掛けのように正確に走りきったのです。 ビエラとピロにとっては、2000 年、2001 年、2002 年に引き続き、彼ら自身の4 度目のルマンでの勝利となりました。これにより彼らは、歴代の優勝回数においてトム・クリステンセン、ジャッキー・イクス、そしてデレック・ベルに続き、4 番目に名を連ねることになりました。アウディにとっては、これが6 度目、3 年連続のルマンでの勝利です。2003 年の、アウディスポーツが開発したFSIエンジンを搭載したベントレースピード8 を含めると、FSIエンジンは7 年間無敗ということになります。
リナルド・カペロ、トム・クリステンセン、アラン・マクニッシュのドライブによるNo.7 が3 位に入賞し、アウディの優勝をさらに価値あるものにしました。このNo.7 は、レース序盤をリードしていましたが、4 時間目にV12 TDI エンジンの右側シリンダーバンクのインジェクター交換を余儀なくされ、一時は16 位まで後退しました。その後、夜間と早朝にも数度のトラブルに見舞われました。GT1 クラスの車両との接触によりアンダートレーが緩み、また左側のターボチャージャーも交換しなければならず、このピット作業でほぼ1 時間を要してしまったのです。しかし、メカニックの懸命な作業により、また3 人のドライバーもファステストタイムを連発してこの状況からリカバー、見事3 位表彰台を獲得したのです。 セブリング12 時間レース、そしてこのルマン24 時間レースに優勝し、アウディR10 TDI は無敗を誇っています。そしてもちろん、この革新的ディーゼルスポーツカーは更なる挑戦に挑みます。7 月15 日以降、チームアウディスポーツノースアメリカが、2 台のアウディR10 TDI でアメリカンルマンシリーズ（ALMS）のシリーズチャンピオンシップを賭けて戦うのです。 【決勝を終えてのコメント】 Prof. Dr. マルティン・ヴィンターコルン （アウディAG 取締役会会長） ルマンにおける勝利は間違いなく、アウディAG のモータースポーツにおける成功の歴史の中でも最も価値のあるものだ。それはとりもなおさず、「Vorsprung durch Technik（技術による先進）」を証明している。世界で初めて、ディーゼルエンジンでルマン24 時間レースに優勝するメーカーになるという目標は、非常に野心的なものだった。我々は、勇気を持って臨み、最初の試みで成功したのだ。今日、モーターレーシングの世界に初めてディーゼルが名乗りを上げた。これは、TDI エンジンの開発者として、我々が最も総合的なノウハウを持っているからこそ可能であったし、そのノウハウは顧客に対してももちろん還元されているものだ。今日では、販売されている全アウディモデルのうち2 台に1 台がTDI だ。今回のルマンでの見事な勝利により、我々はこれからより多くの顧客に、アウディのTDI パワーの良さを理解してもらうことができるであろう。アウディスポーツチームヨースト、アウディスポーツ、アウディの技術開発陣、またこのプロジェクトの最初から我々に多大なるサポートをしてくれたパートナーの皆さん、そしてもちろん、6 人のドライバーたちを、心から祝福する。フランク・ビエラとエマニュエル・ピロにとっては、これが4 度目のルマン優勝、マルコ・ヴェルナーにとっては連続2 度目だ。これらすべての優勝は、アウディとともに成し遂げられたものだ。 Dr. ヴォルクガング・ウルリッヒ （アウディモータースポーツ代表） アウディにとって、今回はすでに6 度目の勝利となるが、これまでとは比べものにならないほど難しく、重要な勝利だった。R10 TDI のシェイクダウンからこの本戦までのたった200 日。この間、アウディスポーツの歴史においても最も集中的に作業を行った大変な日々だった。アウディスポーツ、アウディスポーツチームヨースト、技術開発部門の同僚たち、そして我々のスポンサーの皆さん、一人ひとりにお礼を言いたい。我々はこの、いまだかつて誰もなしえていないプロジェクトを、まったくの白紙の状態からスタートした。このようなハイパフォーマンスディーゼルエンジンでルマンに勝利するというのは、まったくもって大いなる挑戦だということはわかっていた。過去に24 時間レースを経験してきて、まったく予想のつかないことが多数起こり得るということを知っていたし、ルマンでは常に、テストベンチやテスト走行ではシミュレーションのできない驚くような出来事がつきものだ。だからこそ、我々は全員、モータースポーツの歴史において新しい1 ページを書くことができたことに、非常に喜んでいる。チームは完璧な仕事をこなし、起こったすべての出来事に対して正しい対処をした。No.8 は、24 時間をほとんどノートラブルで走りきった。残念ながらもう1 台はアクシデントで後退してしまったが、最終的に表彰台に上れたということは、チームの素晴らしいパフォーマンスによるものだと言えるだろう。 フランク・ビエラ（Audi R10 TDI ＃ 8） 僕たちは、ディーゼルエンジンで初の勝利、つまりアウディTDI パワーの初勝利を非常に誇りに思う。アウディにとってこの勝利は特に重要だが、僕たちドライバーにとっても同様に重要なんだ。僕たちはこの開発の一番最初から参加している。この新しいレーシングカーをこの地に持ち込み、世界で最も重要なスポーツカーレースに勝利し、そしてルマンをディーゼルエンジンで制した最初のドライバーになった。とにかく素晴らしいフィーリングだ。クルマが最後まで調子を保ってくれたことは幸運だった。ギアボックスのマイナートラブルに見舞われただけで、その他は完璧だった。こうでなければ、ルマンを勝つことはできないんだ。 エマニュエル・ピロ（Audi R10 TDI ＃ 8） 今日は、アウディの日、ディーゼルの日、そして「Vorsprung durch Technik」の日だよ。ディーゼルエンジンでの初勝利は、自分たちでもよくわからない普通じゃない何かが起こっている感じだ。この優勝は、今回のプロジェクトで表舞台や裏方どちらにおいてもがんばってきた人々に報いるものだ。この週末、我々はモータースポーツの新たな時代の幕開けを経験したと思う。そしてこれによって、アウディが自動車業界における新技術のリーダーだということが証明されただろう。 マルコ・ヴェルナー（Audi R10 TDI ＃ 8） 新型ディーゼルカーでルマンに参戦し、歴史を塗り替えたことはもちろんエキサイティングなことだ。個人的にも、2 年連続の優勝であり、完全に興奮しているよ。アウディには本当に敬意を表する。今年R10 TDI で参戦するという決定は、野心的だったが正しかった。他のメーカーならこうしたプロジェクトに1 年間の時間をかけるが、アウディはこの短い期間で車両を準備し、勝利するというとてつもない仕事をやり遂げた。ただただ、信じられない。200 日前、このクルマは初めてエンジンに火が入れられ、そして今ルマン24 時間レースに勝利したんだ。これは歴史というよりも、偉大なるストーリーだね！ リナルド・カペロ（Audi R10 TDI ＃ 7） アウディにとって素晴らしい結果となった。僕たちは皆、この勝利のブランドの一員なんだ。僕たちのレーシングカーはいくつかのトラブルに見舞われたが、そのたびにNo.7 のエンジニアとメカニックは献身的に働き、ロスタイムを最小限にとどめてくれた。彼ら全員にありがとうと言いたい。僕はこの新しい歴史の一歩となるレースに参加できたことをとても嬉しく思っている。 トム・クリステンセン（Audi R10 TDI ＃ 7） 今、非常に感激している。これで皆が、TDI パワーとはどんなものか、わかったことだろう。このプロジェクトはついこの間、まったく白紙の状態からスタートし、既に優勝を成し遂げた。この壮大なモータースポーツプロジェクトに関わった多くの人たちの努力のおかげで、アウディの夢が実現したんだ。僕はこの成功の一員になれたことを誇りに思う。もちろん、リナルドとアランとともに表彰台の一番上に立ちたかったけれども、今回僕たちはレース中多くの課題に直面した。僕たちはそれを乗り越えて、表彰台を獲得したんだ。 アラン・マクニッシュ（Audi R10 TDI ＃ 7） TDI プロジェクトは非常に野心的なものだった。アウディはいつものように、レースに向けて完璧なまでの準備をした。それでも、ルマンでは常にトラブルも覚悟しなければならないし、実際この週末に僕たちのクルマにも起こった。2000 年にR8 のデビューレースでも起こったようにね。それでも、ルマン、そしてアウディの精神で僕たちはそれを乗り越え、表彰台に上ることができた。これはチーム全体の素晴らしい努力によるものだ。 ラルフ・ユットナー （アウディスポーツチームヨースト、テクニカルディレクター） ただ単純に、とても嬉しい。このレースは、多くの労力を必要とするタフなレースだったが、このようなプロジェクトでは皆が力を合わせて取り組まなければならないんだ。この24 時間も例外ではなかった。トラブルにも見舞われたが、それもこれだけの新しい技術を初めて投入する場合には覚悟しなければならないことだ。これらを考えれば、2 台ともに完走し、そしてどちらも表彰台に上り、その上1 台は優勝したのだから、偉大なことだ。チームは考えられないくらいによく働いてくれた。レギュラーピットストップに予定外の修復作業、すべてがきちんとこなされた。今回の優勝は、その正当な報酬だ。 【ルマン24 時間レース決勝結果】 1. ビエラ／ピロ／ヴェルナー （アウディR10 TDI） 380 周24 時間04 分47.325 秒 2. エラリー／モンタニー／ロウブ （ペスカロロ−ジャッド）+ 4 周 3. カペロ／クリステンセン／マクニッシュ （アウディR10 TDI） + 13 周 4. ギャビン／ベレッタ／マグヌッセン （シボレー）+ 25 周 5. ミナシアン／コラール／コマス （ペスカロロ−ジャッド）+ 28 周 6. エンゲ／ピッチーニ／ターナー （アストンマーチン）+ 30 周 以上、ニュースリリースより ●キーワード関連ニュース '06/06/23 ルマン優勝によってTDIエンジン開発がさらに加速 - アウディ '06/06/19 プジョー ル・マン２４時間レースにHdiエンジンとDPF技術で出場 '06/06/16 ルマン24時間レースアウディR10 TDI、ディーゼルパワーでポール獲得 '06/06/14 アウディ TTクーペ 生産開始 新型スポーツカーに2億3,000万ユーロの投資 '06/06/13 「世界経済フォーラム東アジア会議2006」にアウディのフラッグシップを提供 '06/06/06 ルマン24 時間レース公式テストアウディR10、強烈なアピール |
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