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巷の噂に対するBMW、BMWジャパンからの回答
2008/11/06

BMWが経営難になったのではないかという噂が巷を駆け巡っています。ドイツ政府に銀行救済策の適用を申請するかもしれないと。なぜ銀行救済策にメーカーが名乗り出るということになるのかもう全く訳がわからないわけですが、リリースを見るとローンなど金融事業の収益力がないというか、赤字力があるというか、そんな状態っぽいです。
とりあえずBMWジャパンから発表になったリリースを全文貼っときます。(元3)

BMWグループ:市場環境が大幅に悪化
2008.11.06

第3四半期までに約13億ユーロの経費負担の増加
1月-9月通期の利払前税引前利益(EBIT)は16.39億ユーロに減少
1月-9月に企業内業務改善を実現
金融危機により2008年度実績予測は困難
通年では好転の見通し
2010〜2012年度の利益目標を確認
BMWグループは現在の市場環境下から今後成長する見込み

ミュンヘン発 世界的金融危機による波及効果、そして世界経済の下降局面により、自動車産業界の第3四半期は大きな影響を受けました。主要販売市場における消費者の買い控え、弱含みの中古車市況、そしてローン等の借り換えが困難になってきていることがBMWグループにも影響を及ぼし、売上高および収入は大幅に下落しました。

第3四半期のグループ売上高は、8.6%減の125.88億ユーロ(2007年第3四半期:137.78億ユーロ)でした。また利払前税引前利益(EBIT)は、外的要因による影響を大きく受けて60.2%減の3.87億ユーロ(2007年第3四半期:9.73億ユーロ)となっています。税引前利益は、63.5%減の2.79億ユーロ(2007年第3四半期:7.65億ユーロ)となり、税引後利益は62.9%減の2.98億(2007年第3四半期:8.03億ユーロ)でした。

車両残価価値リスクおよび貸倒リスク引当金によるさらなる経費負担の増加

期首より第3四半期末までの9ヶ月間の売上高は、微増の404.25億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:404.12億ユーロ)、利払前税引前利益(EBIT)は16.39億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:29.04億、43.6%減)で、税引前利益は15.22億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:26.82億ユーロ、43.3%減)となり、いずれも前年度を下回りました。グループの純利益は39.7%減の12.92億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:21.43億ユーロ)でした。

世界の主要マーケットにおける消費者の買い控え、弱含みが続く中古車市場、および不良債権の貸倒リスクの増大により、BMWグループは第3四半期中に再度、車両残価価値リスクおよび信用リスク引当金を追計上しました。第3四半期のこれらのリスク引当金は3.42億ユーロで、今年期初9ヶ月間に計上した総経費は10.37億ユーロとなりました。さらに、1月から9月期ではこれ以外に、すでに公表済みの従業員削減のための2.58億ユーロの支払いが発生しました。

BMWグループは、現在の市場環境下から今後成長の見込み

ミュンヘンのBMW AG取締役会長ノルベルト・ライトホーファーは、次のように語りました。「今後特に2009年には金融危機の実体経済への影響が出るため、当社にも本格的な影響があると懸念されます。自動車産業界が厳しい試練のときを迎えていることに疑いの余地はありません。しかし、このような状況で同時に訪れる好機を見逃すことはできません。革新的かつ強靭な体質の企業として、BMWグループは現在の困難な状況を乗り越え、この好機を素晴らしい将来への出発点としたいと思います。」

金融危機の悪化が進む中、本年度末までの予測は極めて困難といえます。ライトホーファー会長は、次のように続けました。「多難な事業環境と市場の不安定さゆえに、本会計年度の通期の収益を正確に予測することは、目下のところ極めて困難ですが、しかしながら事態は今後明らかに好転すると見ています。」これまでBMWグループは本年度の売上利益率を少なくとも4%と予測していました。しかし、市場の急激な落ち込みのため、この数字は達成困難となりました。

BMWグループは、通期の世界販売台数を前年度実績と同程度まで修正しました。世界経済の弱体化に合わせて、BMWグループはすでに公表済みの25,000台に加え、さらに生産台数を下方修正する予定です。この結果、当初の予測に比べて少なくともさらに40,000台の減産となります。BMWグループの、フレキシブルな労働時間に基づく自由度の高い生産ネットワークがこうした対応を可能としています。

収益向上プログラムによる企業内業務の改善が進む

BMWグループは今後予想される困難を乗り越えるため、コストおよび売上収益の両面において社内の効率改善策を急ピッチで実行しています。ここで重要なのは、将来の投資の側面で、「エフィシェント・ダイナミクス」や“Number ONE”戦略の一部である「プロジェクトi」などが良い例で、今後この収益改善のための施策を強く推進いたします。今後当社は、より利益を生み出す計画に集中しつつ新製品導入決定の見直しを行います。この結果、必要とされる収益率に満たないことが判明したため、コンセプトCSの量産を中止する決定をいたしました。

本会計年度において、合計約13億ユーロに及ぶ外部的要因による影響(リスク引当金および解雇手当)のため、全体的にプラスだったトレンドに翳りが見え始めたとはいうものの、BMWグループは継続した業務改善を実行しています。

BMWグループは研究開発の分野で効率を大幅に向上させており、研究開発費は5.1%減となっています。解雇手当調整後の販売管理費も大幅に削減されています。リスク引当金、為替差損および原材料費高騰による支出が増加しているにも関わらず、第3四半期の売上原価は5.5%減で留まりました。これは、社内オペレーション効率化の努力が、原材料および固定費の改善メリットとして明確に現れてきたことを示しています。

現在、BMWグループの業績とより密接に連動し、労働組合との協定給与を上回る任意支給を行う仕組みを構築する目的で、労働組合と協議を続けています。こうした労使双方の協議の結果も出始めています。この結果、企業収益の減少を見込んで、今期の従業員の利益分配(2009年支払分)は前年度比で減少となります。冬期賞与は、従来の基準に基づいて支給されますが、2009年以降は新たな基準を採用することとなります。

“Number ONE”戦略の一環としての収益増加策の有効性を考慮し、BMWグループは2010年度のグループ売上利益率を、少なくとも6%と設定しています。しかし、これは市場の回復状況に左右されます。BMWグループは、自動車セグメントにおいて2012年の目標として引き続き、使用総資本利益率(ROCE)を26%超え、利払前金利税引前利益(EBIT)マージンを8%〜10%に設定しています。

多くの新型モデルを今後投入

BMWグループは、事業を加速させるべく、今後多くのニュー・モデルを市場に投入する予定です。マイナー・チェンジを行ったBMW 3シリーズ・セダンとBMW 3シリーズ・ツーリングは、9月末からすでに欧州市場で販売されています。ニュー・ロールスロイス・ファントム・クーペも、同市場で9月から販売されています。ニューBMW 7シリーズは、11月中旬に発売の予定です。BMWグループは、パリ・モーターショーにおいて、BMW コンセプト X1、BMW コンセプト 7シリーズ・アクティブ・ハイブリッド、およびMINIクロスオーバー・コンセプトの3台のコンセプト・カーを展示しました。高効率のアクティブ・ハイブリッド・テクノロジーを採用したBMW X6 アクティブ・ハイブリッドとBMW 7シリーズ・アクティブ・ハイブリッドの2モデルは、来年初頭から量産されます。

自動車事業部門の収益は外部要因による負の影響を受ける

モデル・ライフサイクル要因に加え、第3四半期の販売台数実績は、金融危機の余波による消費者の買い控えの影響で大幅に減少しました。BMW、MINIおよびロールスロイスの各ブランドの総納車台数は、4.2%減の349,098台(2007年第3四半期:364,564台)となっています。BMWブランド車両の販売台数は、5.3%減の290,661台(2007年第3四半期:306,964台)です。MINIの販売台数は、MINIカブリオレのモデル・チェンジを控えているにも関わらず、1.4%増の58,105台(2007年第3四半期:57,315台)を記録しています。ロールスロイスも332台(2007年第3四半期:285台)と、販売台数を伸ばしました。

期首からの9ヶ月間の自動車販売台数は、1.7%増の1,113,972台(2007年第3四半期:1,094,849台)となりました。BMWブランドの販売台数の928,230台は、昨年度とほぼ同じレベル(929,379台、0.1%減)です。MINIブランドも躍進し、12.1%増の184,915台(2007年期初9ヶ月間:164,891台)を販売しました。ロールスロイスは、827台を販売し(2007年期初9ヶ月:579台)、前年同期比で42.8%増となっています。

自動車事業部門の第3四半期の収益は、消費者の先行き不安感、残価価値リスク引当金の追加計上、為替差損、原材料費高騰の影響を受けました。金利税引前利益(EBIT)は、82.1%減の1.41億ユーロ(2007年第3四半期:7.88億ユーロ)で、税引前利益は97.4%減の1,800万ユーロ(2007年第3四半期:7.04億ユーロ)となりました。売上高は15.2%減の111.13億ユーロ(2007年第3四半期:131.07億ユーロ)となっています。

9ヶ月間の売上高は、4.5%下落して370.29億ユーロ(2007年第3四半期:387.82億ユーロ)となりました。自動車セグメントの金利税引前利益(EBIT)は、49.2%減の11.55億ユーロ(2007年第3四半期:22.73億ユーロ)、税引前利益は58.3%減の8.82億ユーロ(2007年第3四半期:21.14億ユーロ)となりました。本年期初9ヶ月間のリスク引当金費用は、5.60億ユーロでした。

BMWモーターサイクル事業部門の第3四半期売上台数は増加

BMWグループのモーターサイクル事業部門では、7月〜9月期に24,818台を販売(2007年第3四半期:23,549台)し、前年比5.4%増を記録しました。この実績は、ニューF 650 GSおよびF 800 GSモデルが、顧客およびメディアによる高い評価を受けたことが好影響となりました。

同じ3ヶ月間のモーターサイクル・セグメントの売上高は、4.6%増の2.71億ユーロ(2007年第3四半期:2.59億ユーロ)となっています。外的要因により、金利税引前利益(EBIT)は500万ユーロ減(2007年第3四半期:EBITは700万ユーロ増)と落ち込みました。税引前損失は700万ユーロ(2007年第3四半期:税引前利益500万ユーロ)となりました。期初9ヶ月間のモーターサイクルの販売台数は、2.5%減の80,750台(2007年期初9ヶ月間:82,779台)、同セグメントの収益は1.4%減の10.08億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:10.22億ユーロ)となっています。金利税引前利益(EBIT)は、14.7%減の8,700万ユーロ(2007年期初9ヶ月間:1.02億ユーロ)、税引前利益は15.8%減の8,000万ユーロ(2007年期初9ヶ月間:9,500万ユーロ)となっています。

与信危機がファイナンス・サービス事業部門に大きく悪影響を及ぼす

当報告期間中、ファイナンス・サービス事業は世界的な金融危機の波及効果を大きく受けました。このセグメントにおける第3四半期の売上高は、14.4%増の40.84億ユーロ(2007年度第3四半期:35.69億ユーロ)となりました。また、このセグメントの第3四半期の金利税引前利益(EBIT)は、2007年度の1.76億ユーロから2008年度には2,600万ユーロの赤字へと転じました。税引前損失は1,700万ユーロ(2007年第3四半期:税引前利益19.1億ユーロ)でした。2008年の第3四半期には、ファイナンス・サービス・セグメントは与信リスクと残価価値リスクに対して、2.32億ユーロの追加引当金経費を計上しました。9ヶ月間の総経費は4.77億ユーロでした。また収益も、資本市場における信用格差の拡大が原因の借り替え費用の増加により悪影響を受けました。

当報告期間の売上高は、17%増の118.18億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:101.01億ユーロ)となっています。金利税引前利益(EBIT)は、83.1%減の9,200万ユーロ(2007年期初9ヶ月:5.45億ユーロ)となっています。このセグメントの税引前利益は76.7%減の1.31億ユーロ(2007年期初9ヶ月間:5.63億ユーロ)に落ち込みました。

貸借対照表上の事業規模は、2008年9月30日現在で17.1%増の579.44億ユーロに達しました。ディーラーおよび顧客間のリースおよびファイナンス契約数は、17.0%増の2,971,437件となりました。ファイナンス・サービス・セグメントの融資を受けたBMWグループの新車台数は、当年期初9ヶ月間で48.0%となり、これは前年同期比で3.3%増です。

従業員数の削減

すでに公表された計画どおり、従業員数は削減されています。BMWグループの全世界での従業員数は、103,625人(2007年9月30日:107,731人)です。これは3.8%減にあたり、この総数にはサークエント・グループの1,778人も含まれています。9月30日付けでBMWグループは、このITコンサルティング会社の株式の72.9%を日本のNTTデータに売却しました。今年末までに、BMWグループは全世界で、正規従業員3,100人を含む、8,100人の削減を完了する予定です。ただし、この削減数にサークエントの従業員は含まれません。

BMWグループは、引き続き雇用主としての社会的責任を果たしていきます。来年は1,100名以上の実習生を受け入れる予定です。そのうち1,080名はドイツで受け入れる予定です。

* * *


2008年9月30日付け四半期報告書は、以下のサイトからダウンロードができます。
www.bmwgroup.com/ir.

BMWグループの概観
  2008年
第3四半期
2007年
第3四半期
増減(%)
車両生産台数
自動車 (台) 334,976 371,569 -9.8
モーターサイクル1 (台) 23,284 20,299 14.7
 
納車台数
自動車 (台) 349,098 364,564 -4.2
内訳:
  BMW (台)
290,661 306,964 -5.3
  MINI (台) 58,105 57,315 1.4
  ロールスロイス (台) 332 285 16.5
  モーターサイクル2 (台) 24,818 23,549 5.4
 
期末従業員数3 103,62 107,731 -3.8
 
営業活動によるキャッシュフロー (百万ユーロ) 1,070 1,678 -36.2
 
売上高 (百万ユーロ) 12,588 13,778 -8.6
 
金利税引前利益(EBIT) (百万ユーロ) 387 973 -60.2
内訳:
  自動車 (百万ユーロ)
141 788 -82.1
  モーターサイクル (百万ユーロ) - 7 -
  ファイナンス・サービス (百万ユーロ) - 176 -
  調整勘定 (百万ユーロ)   277 2 -
 
税引前利益4 (百万ユーロ) 279 765 -63.5
内訳:
  自動車 (百万ユーロ)
18 704 -97.4
  モーターサイクル (百万ユーロ) - 5 -
  ファイナンス・サービス (百万ユーロ) - 191 -
  調整勘定 (百万ユーロ)   285 - -
 
所得税 (百万ユーロ)   19 38 -50.0
 
純利益 (百万ユーロ)   298 803 -62.9
 
1株当たり利益5 (ユーロ)   0.45/0.45 1.22/1.22 -63.1/-63.1
1 ハスクバーナのモーターサイクルは除く(1,238台)
2 ハスクバーナのモーターサイクルは除く(4,429台)
3 ハスクバーナ・モーターサイクルの従業員は除く(225人)
4 2007年第3四半期の税引前利益にはロールスロイス社株の他社株転換債オプションによる500万ユーロの一時的所得が含まれます。
5 IAS 33に準拠した普通株式/優先株式1株当たり利益



  2008年
1月〜9月
2007年
1月〜9月
増減(%)
車両生産台数
自動車 (台) 1,154,282 1,160,247 -0.5
モーターサイクル1 (台) 83,845 88,866 -5.7
 
納車台数
自動車 (台) 1,113,972 1,094,849 1.7
内訳:
  BMW (台)
928,230 929,379 -0.1
  MINI (台) 184,915 164,891 12.1
  ロールスロイス (台) 827 579 42.8
  モーターサイクル2 (台) 80,750 82,779 -2.5
 
期末従業員数3 103,625 107,731 -3.8
 
営業活動によるキャッシュフロー (百万ユーロ) 3,392 4,476 -24.2
 
売上高 (百万ユーロ) 40,425 40,412 -
 
金利税引前利益(EBIT) (百万ユーロ) 1,639 2,904 -43.6
内訳:
  自動車 (百万ユーロ)
1,155 2,273 -49.2
  モーターサイクル (百万ユーロ) 87 102 -14.7
  ファイナンス・サービス (百万ユーロ) 92 545 -83.7
  調整勘定 (百万ユーロ)   305 -16 -
 
税引前利益4 (百万ユーロ) 1,522 2,682 -43.3
内訳:
  自動車 (百万ユーロ)
882  2,114 -58.3
  モーターサイクル (百万ユーロ) 80 95 -15.8
  ファイナンス・サービス (百万ユーロ) 131 563 -76.7
  調整勘定 (百万ユーロ)   429 -90 -
 
所得税 (百万ユーロ)   - -539 57.3
 
純利益 (百万ユーロ) 1,292 2,143 -39.7
 
1株当たり利益5 (ユーロ)   1.97/1.98 3.27/3.28 -39.8/-39.6
1 ハスクバーナのモーターサイクルは除く(1,238台)
2 ハスクバーナのモーターサイクルは除く(4,429台)
3 ハスクバーナ・モーターサイクルの従業員は除く(225人)
4 2007年第3四半期の税引前利益にはロールスロイス社株の他社株転換債オプションによる500万ユーロの一時的所得が含まれます。
5 IAS 33に準拠した普通株式/優先株式1株当たり利益


以上、プレスリリースより


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