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新型3シリーズの妥当性
BMW新3シリーズフルラインナップ揃い踏み2005/05/22


メカニズム
バルブトロニック(クリックで拡大)切望されたメカニズムといえば、やはりバルブトロニックエンジンにつきる。このエンジン、直列6気筒という絶滅の危機を迎えている形式ながら新メカニズムが与えられている点は皆さんご存知のとおり。実はこのバルブトロニックはBMWでは第2世代型とされており、6気筒エンジンに搭載されるにあたり剛性面での改良が施され、その結果高回転化が実現されている。それ以外にウォーターポンプが電動化されており、補機類の駆動による損失を最適化する。余談だがこの電動ウォーターポンプは順次他のエンジンにも採用される予定である。



セレクタ周辺(クリックで拡大)トルクコンバータ式6ATは、いかなる回転数においても回転が急激に落ちることはなく、そのときのギア比なりのエンジンブレーキが掛かる。スロットルペダルを動かしてからタイヤに伝達されるまでの反応速度がATよりもMTに近い。ロックアップが可能な限り作動している印象である。BMWはMモデル用のSMGで微妙なクラッチワークを行っているが、その開発ロジックがフィードバックされているのかもしれない。またセレクトダウン時の回転同調機構が組み込まれているが、この機構はトルクコンバータ型のATとしては先進的な機構である。例えば2→1速のセレクトダウンの場合、これまでの3→2速程度のショックに和らげられている。特にサウンド面での派手な演出はないが、限界走行時の安定性を一段と引き上げることと期待する。

エンジンルーム(クリックで拡大)これらエンジンとトランスミッションの組み合わせはより後方へと押し込まれ、ボンネットを開けても確認できるエンジンの姿はより部分的になった。オイルゲージもなくなっており、自分でプラグやエンジンオイルを交換する楽しみは得られないが、そこが購入判断の決め手になる事はないはずだろうし、その分運転を楽しめばよいに違いない。他には、エンジンルームから見てストラットのアッパー側が少し凝った作りになっている。コーキングしてあるということから二重構造をうかがわせるが、確証をとるには至らなかった。

ブレーキ(クリックで拡大)ブレーキは機能が向上している。予測制御の領域が広がり、各ペダルの操作状況に合わせてより最適なブレーキ運用が可能になった。フェードに対応する目的でブレーキ温度まで監視している。踏力の低いゆったりとしたブレーキング時に滑らかな停止を実現するソフトストップ機能も、パッセンジャーコンフォート方面の機能として、運転者以外にはその違いをわかってもらえるだろう。

もしも昨日今日立ち上げられたメーカーが新型車を売る場合、顧客への訴求ポイントは明確だが長く乗ればバランスが悪いかもしれない、そういうクルマに仕上げることとなるだろう。3シリーズのこれら目玉と思える機能のいずれも、決して突出せず滑らかな調和を提供できているというのが、ブランドの力だ。

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