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BMW335iはブランド論争を叩き壊す
「頭一つ抜けた」というよりも「一抜けた」という感じ。 | 2006/11/26 |
■はじめに
BMWがターボエンジン搭載の市販車を日本に輸出しなくなっておよそ20年。ほとんどの人は2002ターボにしても745i(ターボ)にしても、見かけたことはあるが乗ったことはないはず。ボクもそう。ターボディーゼルがあるにしても、日本には入ってこない。なぜターボなんだろうか。そりゃ直噴化されたエンジンは、タービンを組むには都合がいいはずだ。ターボエンジンの直噴化で得られるメリットは、燃費が良くなること。本来ごく普通のターボエンジンでも、自然吸気エンジンに比べて燃費が良くなる走り方はある。しかしたいていのターボオーナーは直線番長化し、エンジンを高回転まで回し、アンチノック性の向上と冷却のためにリッチな混合気を吸わせることになる。ガソリンはみるみるなくなっていく。直噴では過剰に熱された燃焼室をピンポイントで冷却できる。
1,300-5,000rpmまでをワクワクさんとゴロリが切り取ったような、一直線なトルク特性のエンジンは、その区間で走っているならいつ踏み込んでも4リッターNA並みの加速を約束する。今後オーナーになる人の中には、もしかするとECUに常駐するワクワクさんとゴロリをどかせようと考える人もいるかもしれない。しかし高度にチューンされたエンジンは脆弱で、E46M3のNAエンジンでさえ必ずしも耐久性があるとは言い切れない個体があった。しかるに、二人をクビにすることなく仲良くやっていくのが得策ではないかと思う。このターボエンジンは、古い設計のエンジンをお手軽にパワーアップしたのではなく、各所に最新のテクノロジーが振る舞われた、トータルバランスで成り立ったエンジンなのだから。
NAエンジンとの差分は結構あるが、ターボ化に伴って不要になったり置き換えられた機構もある。ここでは挙げないので興味があればチェックして欲しい。
トータルバランスの成果として得られた圧縮比は10.2。そのおかげで1,300rpmから最大トルクが得られる。最大出力は306馬力/5,800rpm、最大トルクは常用域ならどこでも40.8kgmを発生する。「なぜターボなんだろうか?」の疑問はここ。別に速くする必要はないんじゃないの?と。今でも充分速いわけですから。疑問を感じれば試乗ですよ。
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