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BMW335iはブランド論争を叩き壊す
「頭一つ抜けた」というよりも「一抜けた」という感じ。 | 2006/11/26 |
■乗ってみると
335iはコンフォート・アクセスが標準装備。ポケットにキーデバイスを忍ばせたままエンジンを始動できる。着座してみると、なんと280km/hスケールのスピードメーター。せせこましくて、見づらい気もしないでもない。ステアリングホイールがこれでもかというくらい太い。おそるおそる駐車場を出るが、335iはアクティブステアリングも標準装備。慣れないフィーリングのせいで、狭いが曲がりきれるはずの90度ターンも切り返す(笑)。公道に出る際、ちょっとした車列の隙をついて出たくもなるが、なにしろどんな加速をするのかわからないため、すべてのクルマをやり過ごした。
公道に出た。M1レンジで普通に加速し、直進状態になったところで全開にする。怒濤のトラクション。パワーはひたすら前に進む加速度にきっちり変換される。空気の密度が濃くなる。ターボラグがあるかどうかを感じる暇なし。大きめの排気音だが加速度と一致している感じ。タービン2個は伊達じゃない。ランエボイラネと思った。0-100km/h加速5秒台になってくると、こうも違うのか。
かといって、そんなんじゃ渋滞では動きがナーバスになるんじゃないの?なんてことはなし。特に気遣わず普通に操作すれば、普通に走る。で、カチッとアクセルペダルを踏み込めば怒濤の加速。ははーん、これ駆動輪6本くらいあるでしょw とでも言いたくなる。最近のブリジストンは大したもので、不快な突き上げは伝えてこないが、グリップ力は凄まじい。試しにボクが335iのリアタイヤになっても突き上げはかけらも防ぎようがないと思うし、加速一発で即死だと思う。 今回の個体の場合、フロント225/45R17、リア255/40R17で、銘柄はPOTENZA。なかなかのタイヤだと思った。
マニュアルモードで3速パーシャルスロットルから少し踏み込むと、クルマはリジッドに加速始める。MTそのもの。心をくすぐられる。ホントに運転好きを喜ばせるのがうまく、ツボを心得ていると思う。
今回は高速を試すほどの時間もなかったため、最大の疑問である「別に速くしなくても」だけを焦点に試乗したが、予測を超える加速で納得した。これなら意味があるというか、久々に他のあらゆるクルマを一瞬にして色あせさせる出来事だった。
一点、マニュアル操作でギアを落とす際のブリッピングが効き過ぎて、ちょっと前に出る感じがあった。これはディーラーでの調整はできないが、ECUファームウェアのバージョンアップで対応されるかもしれないとのこと。Dレンジで走る分には問題なかったと思います、っていうくらいだからないでしょう。
<特別付録>
排気音をどうぞ。
フロントセクションで聞こえる音:
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