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クラスレスなセカンドカー選び
クラス感の希薄なクルマ二台が対決する | 2006/03/23 |
グレード - C
■ベリーサ
港北エリアでは田畑が多い。でもこんな景色もある。整備された広い道路も多い。ベリーサは上品なフォルムなので、デパートの屋上で撮影してみた。日の光を浴びると強い色彩のレッドと粒立ちの大きめなパーティクルが輝くが、一転地下駐車場に収めれば、深い赤色になる。
そもそもデミオあってのベリーサだが、登場時には当時名の売れていたカメラマンによる「フォトブック」を配布したり、当時売れっ子の女優をフィーチャーしてCMを重ねたりすることで、異なるイメージを作り上げた。フォトブックは実はボクも持っている。ポルシェカイエン似であることは全く否定しないが、そんなことよりも全体のフォルムから語りかけてくるものや、HDDレコーディングができるカーステレオなど、先進的かつ実用的な装備はボクの心の琴線に触れた。このサイドビュー、なかなかクラシカルな雰囲気があるとは思わないだろうか?デミオに比べるとかなりAピラーが立っており、そのことがこのクルマの雰囲気に、いい意味での時代感を持たせている。
ところがである。現在一般的にベリーサの名前はあまり知られていない。全体に上質なタッチを表現するという意味で、上級車並みの表現や設計になった部分があるというのに、この価格帯を狙う消費者には理解されていない可能性が大いにある。たとえば、わざわざタメをあしらった可動部品を手で強引に動かす。待てない。違うでしょー?!よくベンツやBMWをトヨタが作って安くすれば売れるかどうかとWeb上で議論されるが、答え:壊します。ベリーサはこの価格帯で最も理解されないクルマだ。見よこの造形美!特にこのクラスで目に力があるのはこのクルマだけだと思っている。このクルマ、ボクはコーチのバッグあたりとタメを張れると思いますよ。コーチ、高いですけど。
■ベリーサ - 内装 しかし、ハッチバックを探してデミオを見に来たお客さんが、ちょっと人とは違うモノに気づき、ベリーサの契約書にハンコをつくパターンもあると。そんなハッチバックを求める人にも、このクルマは少しだけ主張して応える。ラゲッジとパッセンジャールームを分けるシェルフは、ラゲッジに小物入れスペースを設ける場合に蓋になる。マツダではフレキシブルボードと命名している。6:4の分割可倒シートは、前には倒れるが、後ろには倒れない。
後ろに倒れないのは、このシート形状を見ればわかる。このクルマはそもそも若いDINKS(古っw)か、子供が家を出て二人に戻った夫婦をオーナーとして想定した設計で、リアシートは緊急用。たとえば、トヨタや日産のある車種のように、リアシートが後方にリクライニングしたりはしない。その分フロント側のシートにお金を掛けてある。シートは高さも調節できるが、その調節が非常に簡単に、かつ狙った高さに位置決めできる。シート自体の出来もいい。やはり面全体で体を捉えてくれる。こういうシートは、かつてのこのクラスのグダグダなボディでは、不快な振動が乗員に伝わるために装備不可能だった。小気味のいい座り心地、乗り心地になったもんです。運転席には肘当てがついているが、これを利用するとサイドブレーキが引けなくなってしまうのはちょっと問題。特に重宝もしないので、使わないのが得策だろう。もったいないけど。
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