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クラスレスなセカンドカー選び
クラス感の希薄なクルマ二台が対決する | 2006/03/23 |
■運転してみると - ベリーサ
運転席に座ってステアリングホイールに触れると、そのさわり心地にシープスキンのようなやさしさがある。メーターの一丸一丸が大きいのは、バリアフリー系の設計思想だろうか。Dレンジに入れて発進するが、軽々と発進する。勢いがよすぎる。Dよりも加速のいいSレンジに入っていた。それにしても、発進のスロットルの開き具合は過敏すぎないか。パワステも効きがよすぎて直進に戻すときに戻しすぎてしまう。ボクは一旦クルマを止めた。止めてよく考えた。
ボクが何から何まで違和感を感じるのは絶対におかしい。まず、このクルマはどんな人が運転するんだっけ?バリアフリー系の設計思想?ならば、力の入れ加減を抑えてみよう。もう一度走り出す。すべての操作から力を抜いてみる。これはどうだ。クルマがスムーズに動き出す。そうか、そういうことだったのか。サスペンションは柔らかめだが、不快な周波はダンパーでフィルタする。ロールも安心する。かといって、機敏さに欠けるわけではない。やんちゃな乗り方をすると、全部自分に跳ね返ってくるタイプだ。
ATは4段しかないのだが、1.5Lにしてはトルクが分厚く、4段だからといってかゆいところに手が届かない感じは全くない。この日は強風にして日差しの強い日だったが、特に「ハンドルを取られる」こともなく、2つあるグレードとしては下のグレードながらオートエアコン装備で空調も良好。そのスイッチ操作に伴う感触は悪くない。スイッチ類の一つ一つがデジタル化されているためか明瞭なクリック感を持っており、その感触は視線をそらしても操作できる安全性につながる。視界も広く良好で悪いところなしのようだが、ここで残念なお知らせです。個体差の出る部分だろうが、ブレーキタッチに関して、パッドがブレーキローターを舐めるような、うっすらと効いている状態にするのが非常に難しかった。反力が強すぎて、ある一定以上の踏力で踏むか、もしくは踏まないかという操作になった。個体差と示したのは、ある程度調整が効くから。ボクは静止直前に踏力を抜くタイプのドライバーなので、ちょっと気になった。あと、静止直前にニュートラルに入れるタイプでもあるのだが、N→D、D→Nとも、ショックはほとんどなかった。マニアックな領域かもしれないが、気にする人は気にする部分だろう。
そして自分のゲルマン製乗用車に乗り換えたとき、すべてが鈍重だった。初めて「ドイツ車はかったるい」という評価があることの意味を理解した。全く異なる文化で、どちらかを肯定したり、否定したりできないが、セカンドカーともなると文化が違いすぎて、ちょっとつらいかも、とも思った。
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