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「ボクとスカイラインの間柄」とV36
元スカイラインオーナーとして言わせていただきますよ。 | 2006/12/17 |
■乗ってみると
試乗はアップダウンに富むがやや渋滞しているコース。運転席についてシート位置を合わせるときに、パワーシートのスイッチが標準的な位置に戻っているのが少し不思議だった。部品共用化ですか。まあいいとしましょう。本来パワーシートがいらないと思うんですが、まあインフィニティブランドのクルマでもありますしね。と思った瞬間、なんで?なんでメーターの青は印刷なの・・・? もしかしたらインフィニティブランドじゃないのかもしれない(笑)。走行距離300kmくらいの個体だが、そういうことは抜きにしても常識的に最初は飛ばさずに走る。坂道もちゃんとトルクが付いてくる。
エンジンはフリクションロスや振動、干渉などの低減が推進され、あらゆる面で効率が上がった。トルクはある。そしてパワーが盛り上がってくる。なのにあまり楽しくない。ゴワーって言うまま回転が高まっていく。これは、L20型直列6気筒エンジン以来の伝統です。問題ありません。いや、RB20Eはもうちょっと音が一本になってたような気がしますが、でも問題ありません。くるおしく身をよじるようにパワーを搾り出すのが日産6気筒の宿命です。一方7,500回転まできっちり回ること。これは成長したところとして認定したい。バルブシートやステム、スプリングなどを強化して、もっと回るようになったら美しい音を奏でるんじゃないかと妄想していたあの頃がなつかしい。実際に回るようになってもあまりそうでもないことはわかった。外で聞く音はイケてました。でもね、スカイラインってクルマはナルシストのためのクルマだったりしますから・・・。
さて、話を戻す。やがて交差点に差し掛かる。この交差点、最近立体工事を終えたばかりで、継ぎ目だらけの激しい不整路だったが、揺れる。揺れると言うより揺さぶられる。いや、揺るがされる。たしかにダンピングは効いている。が、TypeSのスポーツチューンドサスペンションは、明らかに家族に向いていない。誰のために開発したのか疑問が残る。コンフォートタイヤにすれば収まるだろうと察するが、これはGT向けな特性ではないと断っておく。お断りだ。スカイラインらしいかと言えば、らしくない。
混んでいるが左レーンががら空きになっているので出る。ズバーンとアクセルペダルを踏み込む。「ズダダダダッ」とジャダーが出る。ほらー、路面咬んでないじゃーん(笑)。まあこれはちょっとスカイラインらしいとする。こういうバンカラはスカイラインだ。
とにかく道路が混んでいたため、その範疇で気持ちのよいものと予想できる操舵特性をもう少し本格的に評価したかったが、ブレーキペダルのタッチもしっかりしていたし操舵感も特に悪い感触はなく、このクラスとしての出来ばえは充分なものだと思う。一旦お断りしたサスペンションもピッチングには強いはずで、整った路面では逆に気持ちいい運転ができると思われる。
一点、渋滞中ATが1速から2速に上がるときに、ドンと速度が上がった。これは精神的に危ない。どうせMTは出さないわけだし、フライホイールを軽くしてもらえないかと思った。元スカイラインオーナーがやりたかったことの一つでもある(笑)。
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