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ギャランフォルティス一挙試乗
ギャランフォルティスはランエボの残り香なのか? | 2009/04/12 |
■乗るとどうか
コースとしてはこの後乗る2台と共通で、きつめの上り下りのある港北ニュータウンエリア特有の地形を走り、246に出て東工大の脇を通過して峠道に入って環状4号に戻る。運転し始めてすぐに感じるのは、ビターっとしているということ。路面からの当たりについて表現するときのキーワードのひとつだが、高硬度のシェルでキャビンを包むことによって一箇所からの入力を他へ分散し、シェル以外の付属物も、振動を吸収する上で効果的な素材や配置を採用して得られたと思われる。
ドライビングポジションは前寄りのセッティングについても余裕があり、欧州車でありがちな「もっと前に寄せたいんだけど」と不満を持つようなことはない。ステアリングホイールは財布によく使われるような馬革のような感じで滑らかな手触り。少し耐久性には不安があるが、もしもヤレてしまったとしても2万円※1で交換できるはず(しつこい)。特に手による入力部分は、少し贅沢をしてもいいはずではないでしょうか。空間としては雑多感がなく非常にクリーンで、運転に専念するには最適だと思う。
最初の交差点で2速まで落とすが、このクルマのシフトロジックは前方プラスの後方マイナス。まあATの成り立ちから派生したタイプとしては普通ですね。
登坂路ではAT(CVT)のマナーが非常に良く、というよりも2Lの余裕だろうが、だいたい2千回転も回るか回らないかで登っていく。このクルマで何か問題あるのかと逆に不思議に思い始める。実用域でのトルクの太さというのは、最終的に安全に帰結する。何か問題が発生した場合から逆シークしてトルクがある場合とない場合では、運転者のしなければならないことの絶対量が変わってくる。場合分けの分岐数も変わる。トルクは絶対にあった方がいい。排気音は大きめで太い。
峠道も入ってみたが、タイヤが185と細めながら(←すいません、215でした)操舵に対する反力が大きく、また予想よりも多めの操舵量を求められたこともあって、スピードを上げることはできなかった。この点は、良心的と判断すべきだと思う。峠道と行っても国道クラスからはほど遠い獣道のようなレベルなので、できないことはできないと伝えてくるのは大切なことだと思う。
そこから直線路に入るとまたビターッ。巌の直進性。しかしさっきの操舵の重さから考えると、作られた直進性であるように感じる。キングピンオフセットをゼロにしつつキャスターを寝かせつつトレイル量をずいぶんでかくした感じ。異常というのとは違うが、新しいといえば新しい感じでもあり、ある程度納得が必要となる手応えかも知れない。
全体的にはオーナーの頭越しに余計なことをするような横着さもなく、かと言って控えすぎていつも声を掛けてやらないとこっちを気にしていないような無神経さもなく、いつもオーナーのそばでつかず離れず控えている忠犬ポチ的印象。瞬間燃費や総合燃費の表示など、オンボードコンピューターも充実しており、エンジン出力は150馬力くらいでトルクも200Nmくらいあるので、すごいファーストカーのセカンドにそこそこの新車が欲しい場合は買いだと思います。ターゲット狭いか(笑)。
※1:i(アイ)のステアリングホイールを本革巻きのモノに交換する場合、工賃と消費税別で2万円でした。i(アイ)の基本操作系パーツは、三菱の小型車、普通車と共通のパーツが使われているようなので、ギャランフォルティスも2万円で交換できると考えました。
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